第155話 悲嘆-14

翌朝、予定通り片倉の遺体は納棺され、
棺を多種多様の花で囲んだ。

遺影は天井からつるされ、あの片倉の柔和な笑顔がリビング全体を見守っていた。
無宗教葬のため、棺の前には焼香台ではなく献花台が置かれ、
弔問客が自由に献花できるようにした。

また、木野の提案で片倉が好んでいた音楽を弔問を受ける間中、流しておくこととなった。
香織は昼間はクラシック、夕方からはジャズのCDを描けることにした。

8時50分、表には立て看板などは用意せず、そのかわりに二人の社員が案内係として立っていた。
玄関には履物を置く棚を用意し、下足番がついた。

玄関を入ってすぐに受け付けがあり、
木野と隣の会計に久保田が座っている。

すぐわきのクローゼットには弔問客に配る会葬礼状と、粗供養品のコーヒー、
紅茶セットが詰め込まれていた。

キッチンにはいつも使っている料理屋にオードブルを用意させ、
その他にクッキー、和菓子などのお茶請けを揃えた。

飲み物は冷蔵庫にビールとウーロン茶、そして社長が大好きだったコーヒー、日本茶も用意されていた。
受付を済ませた弔問客が献花を終え、席に着いたところで配膳人が飲み物を聞くという流れである。
これで弔問客を迎える準備はすべて整った。

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