ご葬儀を執り行う際には、どのような宗教を信仰されておられるのかによって、葬儀の形式が変わってきます。
ここでは、大きく分けて、仏教、神道、キリスト教、創価学会、無宗教と5つに分けてご紹介します。
仏式
現代葬儀においても、90%以上が仏式によるご葬儀が多いです。
主な宗派としましては、真言宗、天台宗、法華系、日蓮宗、浄土宗、浄土真宗、融通念仏、時宗、華厳宗、法相宗、律宗、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗(おうばくしゅう)等がございます。
宗派によって作法やしきたりが多少違いますが、式自体の進行などにつきましてはさほど変わりはありません。 通夜、葬儀・告別式、繰り上げ初七日法要の順で行われます。
御導師には、菩提寺がある場合は菩提寺の住職に導師をお願いします。菩提寺が無い場合は家の宗派と同じ僧侶にお経をあげて頂きます。
神式
神道にも仏式のように宗派がございます。 大きく分けまして5つ、神社神道、教派神道、国家神道、宮廷神道、学派神道になります。
神式でご葬儀を執り行う場合、 仏教でいう戒名のようなものは無いので、俗名を用います。祭壇には洗米、酒、餅、野菜、果物などのお供え物を並べます。
式の進行は 斎主(神官)が行い、 通夜を「通夜祭」、葬儀は「葬場祭(神葬祭)」と呼びます。参列者は御霊前に玉串奉奠をします。
キリスト教式
カトリック、プロテスタント、聖公会、正教会、福音派などに大別され、形式に違いがあります。
日本では固有のしきたりに準じ、前夜祭(通夜式)、葬儀・告別式 も行われます。
式は教会で執り行われることが多く、式次第も教会によって決められます。 参列者は お焼香のかわりに 献花をします。
創価学会友人葬
創価学会の葬儀形式です。僧侶を呼ばずに所属する地区のブロック長や支部長などが儀典長を務め、会員の方々でお題目を唱えます。
地区の会員の方が多く参列され、予想をはるかに越える人数になってしまうこともしばしば見受けられます。
戒名を授けることはせず、俗名でのご葬儀となります。
無宗教葬
宗教色を一切排して行われますので、導師は存在しません。
式次第は自由に決められますが、一般的には音楽を用いた音楽葬に、多くの方からお別れの言葉を頂くといった形式になります。
また、生前の写真をビデオアルバムにして流したり、フォトコーナーを作ったりと形式にこだわらず、故人を偲ぶことに重きが置かれます。
葬儀を執り行う際に、信仰(ご宗旨)や宗派がお分かりになりましたら、お葬式の形式を考えていきましょう。
家族葬
家族葬は本当に家族だけ数名で行う場合と親戚、ごく親しい友人数名には声を掛ける場合とがあります。
注意点としましては、もしもご近所などにわかってしまったとしても、身内だけで葬儀を執り行うことをしっかりと説明し、ご理解頂くように努めなければなりません。
特に先方のお気持ちをないがしろにしないよう心掛けたいものです。
また、できれば後日お便りなどでその事実をお知らせした方が良いでしょう。
一般葬
一番オーソドックスな個人葬です。ご親戚はもちろん、ご近所、仕事関係、故人の友人や知人、遺族の友人、知人など連絡が取れるところには全て訃報連絡をします。
後で聞かされ「何で知らせてくれなかった」と言われないようにもれなく訃報を流しましょう。
形式は宗教や地域によって大きく異なる場合があります。
社葬、団体葬
この形式には先に密葬を済ませ、後日社葬を執り行う形式とはじめから社葬を行い、一回で済ませる形式があります。
葬儀代金の支払いは原則的に会社が負担しますが、火葬料、お布施など一部を遺族が負担することもあります。 どのように分担するかは遺族側と会社側の話し合いで決められることになります。
社葬はあくまで会社が施主ですのでどのようなお葬式にするかの決定権は会社側にありますが、故人のことを一番よく知っている遺族の意向を取り入れて行うことが望まれます。
式を執り行わず火葬だけする
故人の遺言等により火葬だけする場合があります。
式を行わなくても、火葬に立ち会われた方々の故人に対する敬う心を大切にすることで充実感に包まれることもあります。
もしも後で後悔しないか気掛かりであれば、費用を掛けずに家族だけで故人を偲ぶような式を考えてみる必要もあるかもしれません。