遺体を安置したら、その枕元に、枕飾りと呼ばれる、供物をささげるための、
仮の祭壇を作ります。
その前に、仏壇と神棚が一緒にあるお宅の場合は、
神棚封じをします。
これは、神道では死を「けがれ」ととらえるため、神棚の神様にけがれが及ばないように、
との思いがあります。
神棚封じでは、神棚の扉を閉め、外側から白い紙を貼ります。
枕飾りは、白木か、白い布をかけた台の上に、
「三具足(みつぐそく)」を置きます。
香炉、燭台、花立、の3点です。
そして、香炉には線香を一本立、
燭台にはろうそくを一本灯します。
この火は夜通し絶やさないようにします。
花立には「樒」と呼ばれる枝を差します。
ただ、樒が手に入らない場合は、菊や白百合などの花を用いてもいいです。
ほかには、仏壇の鈴、湯飲みかコップに入れた水をおき、
枕飯、枕団子(6個)を飾ります。
枕飯とは、故人が生前使っていたお茶碗にご飯をてんこもりにして、
真ん中にやはり故人が使用していた箸をまっすぐに立てたものです。
枕団子は上新粉を水で練って作ります。
数は、地域によっては変わります。
このようなセットは、葬儀のセット料金に含まれていることが多く、
葬儀社が用意してくれるのでそろえる心配はありません。
枕勤めについて
枕飾りをした後、僧侶にお経をあげてもらうことを
「枕経」とよびます。
そして、枕経をあげてもらうことを「枕勤め」と呼びます。
亡くなって一番初めの仏事が、これです。
僧侶が枕勤めをしている間は、遺族、近親者は後ろに座り、
故人の冥福を、ともに祈ります。
服装は喪服である必要はありませんが、
華美なアクセサリーは控えて、
地味なものを着るようにしましょう。
本来は、枕経は亡くなったあと
すぐに行うものでした。
ですが、現代では、
自宅ではなく、病院で亡くなることもあり、
そうなりますと自宅へ遺体を搬送することになります。
ですから、自宅で遺体を安置してから、行うようになりました。